アイシングの意義と方法を理解していますか

アイシング。

言葉は知っていても、その意義や方法については

意外と理解できていないのではないでしょうか。

トレーニングのあとに肩にアイシングをする人もいるでしょう。

捻挫や打撲の直後にもアイシングは効果的です。

何気なく行うアイシングですが

今回は水泳で用いるアイシングに絞って意義と方法についてまとめます。

アイシングの目的

水泳ではアイシングを

主にトレーニング後のケアで用います。

 

この時のアイシングの目的は以下の通りです1)。

 

1.炎症の抑制

2.疼痛の抑制 (遅発性筋痛の予防)

 

一番の目的は炎症の抑制でしょう。

トレーニングを行ったあとの肩などは

筋肉や結合組織に微細な損傷が生じています。

そこから生じる炎症をアイシングによって防ぐことで

炎症物質の拡散を防止し

他の組織へのダメージを軽減することが出来ます。

 

また、遅発性筋痛の予防にもアイシングが効果的であることが報告されています2)。

遅発性筋痛はいわゆる筋肉痛のことですが

筋肉痛が生じなければ痛みに動きを邪魔されることもないため

次回のトレーニングにフレッシュな状況で臨めます。

 

アイシングによって生体に起こる変化

アイシングによって体にどのような変化が生じるのでしょうか。

水泳に関連した項目のみピックアップします1)。

 

1.血流の低下

アイシングによって冷やした部分の血管が収縮します。

また、血液の粘度が高まり、血流は低下します。

炎症物質の拡散が防止されるのも

この効果によるものです。

 

2.疼痛閾値の上昇

冷やすことで痛みを感じにくくなります。

神経伝導速度の低下や浮腫の軽減が

その要因と考えられています。

 

アイシングを実施する際の注意点

実施時間

・手指や足趾に対しては15分未満

・体の中心部に対しては15分以上でも可能

 

体の末端部の過剰な冷却には注意が必要です。

手指や足趾に対して1℃未満で15分以上冷却すると

「乱調反応」と呼ばれる

皮膚温度の乱高下と血管拡張が生じるためです3)。

体の中心部であれば乱調反応は生じないため、

15分以上の冷却は可能と考えられています。

 

実施間隔

・1時間以上の間隔をあける

 

冷却している組織の過度な温度低下や凍傷を防ぐために

冷却の間隔は1時間以上に設定した方がよいでしょう1)。

 

アイシングの実施方法

袋に詰めた氷水をタオルなどでくるんで冷やすとよいでしょう。

タオルにくるむ理由としては

過剰な冷却により凍傷を防ぐこと、

1℃以下にならないようにして乱調反応の発生を防ぐこと、

などが挙げられます。

 

まとめ

今回はアイシングの意義と方法についてまとめました。

体の末端部に対するアイシングには注意が必要であることが分かりました。

打撲や突き指でアイシングを行う時も

アイシングの実施時間には注意しましょう。

 

参考文献

1.渡部一郎 訳:EBM物理療法 原著第3版、2012

2.Meeuse R. et al., The use of cryotherapy in sports injuries. Sports Med 3 : 398-414, 1986

3.Lewis T., Observations upon the reactions of the vessels of the human skin to cold. Heart 15:177-208, 1930

 


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