トレーニング強度の設定方法 (3000m泳,30分間泳)

水泳の持久力トレーニングを行う時,

どれくらいの速度で泳げばいいのでしょうか。

水泳の持久力トレーニングでは

最大酸素摂取量や乳酸閾値といった 普段聞き慣れない言葉が多くあります。

そして,何よりいずれの指標も

測定には手間がかかります。

(最大酸素摂取量の測定には大がかりな装置が  

乳酸閾値の測定には血液採取が必要です)

もっと簡便に 持久力トレーニングのトレーニング強度を設定できないでしょうか。

今回は乳酸閾値の運動強度を簡便に算出する方法を考えます。

T-3000,T-30とは

簡便に乳酸閾値の運動強度を測定する最も有名な方法として

3000m泳 (通称T-3000) もしくは30分間泳 (通称T-30) があります1)

3000mを泳ぐ,もしくは30分間泳ぎ続け

そこから得られたタイムを用いて

持久力トレーニングで用いる運動強度を求めます。

 

T-3000,T-30の実施方法

方法は簡単です。

3000mを出来るだけ速く泳ぐ

もしくは 30分間出来るだけ速く泳ぎ続ける

これだけです。

 

乳酸閾値となるトレーニング強度を求める

1. T-3000の場合

3000mのタイムを30で割り

100mでかかった時間を計算します。

得られた値を乳酸閾値の運動強度とします。

 

2. T-30の場合

泳いだ距離から100mあたりのタイムを換算します。

〜例〜

30分間泳で1500m泳いだ場合 30÷1500×100=2

よって,この人の100mあたりの

乳酸閾値の運動強度は100mを2分で泳ぐ運動強度となります。

 

T-3000,T-30を実施する際の注意点

1. 測定上の注意 ・最初から飛ばしすぎない

イーブンペースを維持すること。

(従って,慣れないうちは練習が必要です)

 

2. 測定結果の解釈について

スイミングファーステストには以下のような注意点が記載されています。

 

この測定で得られた結果は

「300m以上の反復セット」で

「レスト時間が10〜20秒」のトレーニング時に適したペースである。

 

従って,

1本あたりの距離が短い反復セットやレスト時間が長い反復セットの場合は

目標タイムの調整が必要となります。

この調整方法については以下の通り。

 

例えばT-3000で得られた100mあたりの目標タイムが

1’10 (70秒) だった人の場合。

 

200m単位のトレーニングの時  

(70-2)×2=136 (2分16秒)  

2秒の補正をかける

 

100m単位のトレーニングの時  

70-1.5=68.5  

1.5秒の補正をかける

 

50m単位のトレーニングの時  

(70-1)÷2=34.5  

1秒の補正をかける

 

しかし,この補正値についての文献的根拠は

スイミングファーステストには提示されていません。

経験で補正しているのか…?

詳細は不明です。

 

4. まとめ

T-3000やT-30はトレーニング強度を決定するのみならず

トレーニング効果を知るためにも有効な指標です。

慣れが必要なのが難点なので

あまり行ったことがない人は

何回か実施して成績が安定しているかどうか

確かめるとよいと思います。

 

また,200m以下の距離のトレーニング時には補正が必要となります。

補正値について文献的根拠がないのですが

とりあえず補正した値をターゲットタイムとしてトレーニングを実施,

その際の心拍数を測定して

乳酸閾値付近の心拍数 (120〜140 beat/min)に落ち着いているか

確認するとよいと思います。

 

参考文献

1) Olbrecht J. et al., Relationship between swimming velocity and lactic concentration during continuous and intermittent training exercises. Int J Sports Med. 6(2):74-7. 1985


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