楽に泳ぐ5つのポイント:なぜ水泳選手は100mを何本も泳げるのか?

今回は水泳の初心者向けに記事を書いていきたいと思います。

水泳選手は100m×20本などのメニューを

ほとんど休み無しに泳ぎます。

普通の人からしたらありえない事態です。

なぜ,彼らは楽に泳ぎ続けることが出来るのでしょうか。

楽に泳ぐためのポイント

楽に泳ぐには何が必要でしょうか。

簡単に考えると以下の結論に落ち着くと思います。

 

1.楽に呼吸ができる

2.バテない

 

これをもとに

私が初心者の方に長く泳ぐコツを教えるときは

以下の5つのポイントを伝えます。

 

1.呼吸しようと思いすぎない

2.呼吸は息を吐くことを特に意識する

3.ストリームラインの姿勢が基本であることを忘れない

4.力を入れることよりも抜くことを意識する

5.キックを打ちすぎない (キックを体を浮かすために使わない)

 

楽に泳ぐためのポイント①:呼吸しようと思いすぎない

初心者の方は呼吸ができないことを恐れます。

もちろんそれは当然なのですが

呼吸しよう呼吸しようと頑張りすぎると

反対に呼吸しづらくなるジレンマがあります。

 

最も多いのがクロールでは

呼吸しようとして頭を上げてしまうことです。

実は頭を上げたところで口の位置はそんなにかわりません。

一方、頭を上げることによって

体、特に下半身が沈んでしまいます。

 

ポイント①のまとめ

呼吸をするときは頭を上げないようにしましょう。

ゴーグルの片方が水没しているくらい

頭は上げないのがポイントです。

 

楽に泳ぐためのポイント②:呼吸は息を吐くことを特に意識する

呼吸する時は息を吸いたくなるものですが

実は息を吸うよりも吐く方を意識すべきです。

それも「パッ」と瞬間的に息を吐くべきです。

 

息を吐くことが大切な理由

息を吐くことが大切な理由はいくつかありますが

まず、泳いでいる最中に苦しいと感じるのは

酸素が足りないからではなくて二酸化炭素がたまっているからです。

よって、二酸化炭素を積極的に排出することが

苦しさの軽減につながります。

 

また、繰り返し息を吸おうとしても

水を飲んでしまったり、

もう息が吸えないくらい肺が膨らんでいたりします。

息を瞬間的にパッと吐くことで肺の持つ弾性を利用できます。

瞬間的に縮んだ肺はすぐに戻ろうとします。

これを利用すれば短い時間で空気の入れ替えが出来ます。

 

瞬間的に息を吐くとは

実はこの息を吐く方法は

子供のころに練習したことがある人も多いと思います。

子供のスクールでまず最初に教えるのが

「ぶくぶくぱぁ」です。

これは「バブリング」とも呼ばれます。

実はこのバブリング瞬間的に息を吐く呼吸法と同じです。

 

ぶくぶく…ぱぁ!

と「ぶくぶく」の部分で少しずつ、

「ぱぁ」の部分で一度に空気の塊を口から出すのがポイントです。

この衝撃で口の周りの水を跳ね飛ばすくらいの意識で行います。

ぜひお風呂の中で練習してみて下さい。

 

ポイント②のまとめ

バブリングを思い出して

呼吸の時は息を吐くことを意識しましょう。

 

楽に泳ぐためのポイント③:ストリームラインの姿勢が基本であることを忘れない

水泳は不安定な水の中で行う競技です。

どうしても体を浮かそうとして全身に力が入ってしまいます。

しかし、思い出して頂きたいのは

けのび(ふしうき、ストリームライン)を行っている時は

体は沈みにくいという事実です。

 

正しいストリームラインがとれているか

重心はおへそのあたりにあります。

浮力は空気をたくさん含む肺周辺になります。

重心の位置と浮力の位置が遠いと

回転の力が生じます。

重心の位置と浮力の位置が近くなれば

回転の力(下半身を下げるような力)が生まれないため

体は沈みにくくなるでしょう。

参考のために模式的な図を作成してみました。

rotate.001

従って、

沈まないような姿勢の保持には

重心の位置を浮力の位置に近づけるような意識が必要です。

重心の位置を浮力の位置に近づけるためには

腹筋に力をいれ、腰椎の前彎を腹筋の力で抑えた姿勢などが推奨されています。

また、股関節や肩関節の柔軟性も必要になるでしょう。

この点については

改めて紹介することになると思います。

 

泳いでいる最中にストリームラインが崩れていないか

ストリームラインがしっかりと組めていれば

体が極端に沈むことはありません。

泳いでいる最中に体が沈んで苦しいのであれば

それはストリームラインから大きく外れた姿勢で泳いでいる可能性があります。

 

我々は泳ぐとき、推進力を得るために腕を回し、キックを行います。

この推進力を得るための動き以外は

基本ストリームラインの姿勢を保持するよう意識すべきです。

なぜなら

ストリームラインは最も抵抗が少なく

体を沈める力が生じにくい姿勢だからです。

 

ポイント③のまとめ

ストリームラインを今一度意識しましょう。

ストリームラインの基本的な姿勢がとれているか、

泳いでいる最中に姿勢が乱れていないか

出来るだけストリームラインから外れないような泳ぎを意識しましょう。

 

楽に泳ぐためのポイント④:力を入れることよりも抜くことを意識する

初心者の泳ぎと熟練者の泳ぎを比べると一目瞭然な部分として

熟練者の泳ぎは滑らかであることが挙げられます。

滑らかさ、

それは適切な局面で最小限の力を入れ

あとは脱力している状況です。

ヒトはずっと一か所に力を入れ続けることは出来ません。

疲労物質がたまり、筋肉の収縮を保持することが出来なくなるためです。

力をうまく抜けなければ楽に泳ぐことはできません。

 

慣れと脱力

ヒトは動作に慣れると力を抜くことが出来るようになります。

自転車を例にとると

自転車に慣れていない人はペダルをがっちり踏みこみ

ハンドルを握りしめます。

自転車に慣れている人はペダルを踏み込む局面は一部であり

ずっと踏み込む必要がないことを知っています。

ハンドルも柔らかく握る程度です。

 

これは水泳でも同じです。

一流の水泳選手と一般の水泳選手では

一般の水泳選手の方が継続して筋肉が活動していることが明らかになっています。

継続した筋肉の活動は

早期の疲労を生み運動の継続を困難にします。

 

ではどこで脱力するのか

始めは自転車と同じように考えてもいいと思います。

推進力が得られる局面のみ力を入れ、あとは最小限の力で行動します。

クロールのストロークを例にとると

手掌、前腕、(上級者は上腕も)が水を押せる状況になるまで

大きな力は必要ありません。

すなわち、手掌、前腕が進行方向に対して垂直になる局面、

キャッチと呼ばれる局面までは最小限の力でいいはずです。

そして、手掌、前腕を進行方向に対して垂直に保持できなくなる局面までは

力を入れる必要があるでしょう。

フィニッシュと呼ばれる局面です。

それら以外は大きな力は必要ありません。

 

どうやって脱力を習得するのか

ストロークならプルブイを

キックならビート版を使って

特定の部位に意識が集中しやすい状況を作っておくと

自分が脱力できていない、もしくは力が入っていない、

などの感覚的な情報を得やすいと思います。

 

また、遅いペースで泳ぐと比較的力を抜きやすいため

遅いペースで繰り返し練習して、

速いペースでも同じことができるようにdescending setを組んでもいいと思います。

 

いずれにしても

脱力の感覚を得るためには反復練習が必須ですので

フォームを変えたあとなどは

トレーニング量を増やし

新たなフォームになれる時間を設ける必要があるでしょう。

 

ポイント④のまとめ

脱力を意識します。

どの局面で力が抜けるか模索してみましょう。

 

楽に泳ぐためのポイント⑤:キックを打ちすぎない

キックを打ちすぎるとバテます。

キックに関わる筋肉が人間の体の中でも大きな筋肉であるため

キックという動作自体が非常に大変な運動だからです。

実際に、

水泳の長距離選手の多くは

1回のストロークの時に2回しかキックをうちません(2beatと呼ばれます)

 

キックを打って体を浮かそうとするよりも

キックを打たずとも体が浮くように

姿勢を意識するべきです。

 

ポイント⑤のまとめ

キックを打って体を浮かそうとするのではなく,

キックを打たずとも体が浮くように姿勢を意識します。

 

おわりに

楽に泳ぐポイントを整頓してみました。

水泳選手が100mを何本も泳げるのは

実は力を入れている局面が僅かであり

非常にエコに泳いでいるからです。

そして初心者の方でも

必ず連続して泳げるようになります。

 

ぜひ,試してみて下さい。


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コメント

  1. 通りすがり より:

    瞬間的に息を吸う、の間違いではないですか?
    「ぶくぶく、パッ」の「パッ」は吸う息ですよね?

    1. 水泳のメニュー作成者 より:

      コメントありがとうございます。
      「ぶくぶく、パッ」の「パッ」は
      息を吐ききることを意味しています。
      なので、一応「息を吐く」ことを表現しています。
      ただ、わかりにくい表現となっていました。

      記事を修正しますね。
      ご指摘頂きありがとうございました!

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