日々の練習をもっと充実させる:フォームの習得について

水泳のトレーニングの目的は

持久力やスピードといった身体機能を高めること以外にも

理想とするフォームを体に覚え込ませることがあります。

 

フォーム,動作を体に覚えさせるとは

どういうことなのでしょうか。

そしてどんなメリットがあるのでしょうか。

動作を体が覚えている状態,とは

 動作を体が覚えている状態…とは

意識しなくても,動作に注意を向けなくても

目的とする動作ができる状態です。

 

私たちは歩いているとき

「歩く」という動作を意識しなくても行えます。

これは,目的とする動作がすでに体に染みついているからです。

少し難しい言葉でいうと

「運動学習」の「自動化段階」に到達している

ということになるでしょう。

運動学習については次で説明します。

 

運動学習における自動化

「運動学習」という言葉を知っておくと

トレーニングの目的を明確にできます。

 

運動学習とは

「巧みな運動遂行の能力を比較的永続する変化に導くような

実践あるいは経験に関連する一連の過程」

と定義されています1)

 

また,運動学習が進む過程としては

1.認知段階

2.連合段階

3.自動化段階

に分けられます。

 

認知段階は,何を行うか理解し,言語的に戦略を考える段階

連合段階は,運動の様々な戦略を試す試行錯誤の段階

自動化段階は,動作は自動化されて,動作に対する注意も減少する段階

となります。

 

運動学習の細かな内容は忘れてもいいですが

とりあえず動作を学習するときには

上記の3ステップを踏むと考えられている…

という理解だけでここでは十分です。

 

運動学習の概念を水泳に生かす

例えば新しいフォームを試すとき

「自動化段階」まで到達するまで

本番で使うべきではありません。

本番では緊張するので,フォームに注意を払うのは困難です。

また,慣れない動きで余計な力が入るため

持久力も落ちてしまいます。

本番はフォームを体に覚えこませた状態で

自分を信じて泳ぐことになります。

 

そこで,運動学習という概念を意識すると

日々の練習に新しい目的が生まれます。

すなわち

「フォームを自動化する」

という目的です。

 

この目的を達成するためためには,

「認知段階」→「連合段階」→「自動化段階」

と出来るだけ早く「自動化段階」へ到達することが求められます。

 

フォームを自動化しよう

反復練習はもちろん必要ですが

フォームに対する客観的な評価が重要になってきます。

この評価の頻度や内容は未だ議論がありますが

定期的にマネージャーにチェックしてもらったり

ビデオ撮影をしたりして

フォームを確認するとよいでしょう。 

 

「フォームの確認→練習→フォームの確認→練習」

の繰り返しが重要となってきます。

 

さらに,

「疲労した状況でも同じようなフォームが維持できるか」

これも大きなテーマです。

なので,疲労した状況を作り

その状況で繰り返しフォームを意識して泳ぐトレーニングは必要でしょう。

遅い泳速で培った運動学習は

速い泳速でも生きるとは思いますが

速い泳速での反復練習も絶対に必要になると思います。

 

まとめ

水泳に限らずスポーツは

目的とした動きをいかに正確に行えるかが勝負です。

そのためには

運動学習という概念を念頭において

トレーニングに励むことは

理にかなったことだと考えます。

 

日々のトレーニングに

新たな視点を見いだすきっかけになれば

幸いです。

 

参考文献

1) 中村隆一 他,基礎運動学 第6版 医歯薬出版, 2005


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