筋肉痛を理解する

今回のテーマは筋肉痛です。

筋肉痛はトレーニングを妨げます。

しかし,筋肉痛が起こるくらい頑張らなければいけない…

という思想があることも事実です。

筋肉痛を出すほどトレーニングをする必要があるのでしょうか。

筋肉痛を抑える方法はないのでしょうか。 

まずは筋肉痛について基本的な知識の整頓をします。

 

筋肉痛の種類

スポーツ中に生じる筋肉痛は2つに分類されています。

 

現発性筋肉痛

トレーニング中に生じる筋肉痛です。

筋肉内が酸性になることで生じます。

筋肉が焼け付くような…と表現されることが多い痛みです。

水泳の練習メニューでも

SP1(耐乳酸)のトレーニングの時などに感じる筋肉痛になります。

 

トレーニング終了から数時間経ち

筋肉を酸性に傾ける物質(乳酸など)が分解されることで

現発性筋肉痛は消失します。

 

遅発性筋肉痛

運動を終了してから数時間〜数日後に生じる筋肉痛です。

俗にいう筋肉痛はこれにあたります。

 

なぜ,遅発性筋肉痛が生じるのか,

その詳細なメカニズムは明らかとなっていません。

トレーニングによって生じる筋線維や筋周囲の結合組織の損傷,

それに伴う炎症が原因とも考えられています1,2)

 

遅発性筋肉痛を予防する

上記のように

遅発性筋肉痛は筋線維の損傷が原因となっている可能性があります。

従って,遅発性筋肉痛を起こすトレーニングが

必ずしも正しいトレーニングとは限りません。

また,遅発性筋肉痛によって動きが阻害されるため

適切なフォームでのトレーニングが出来ないことも多々あります。

遅発性筋肉痛の予防には以下のような取り組みが挙げられます。

 

1.十分なウォーミングアップ

2.使用する筋肉のストレッチ

 

基本的なことですが重要なことです。

いずれも筋肉の温度と柔軟性を高め

筋線維や周囲の結合組織の損傷を防ぐことが目的となります。

 

なお,遅発性筋肉痛に対するストレッチの効果については

有効であるとする報告が多いものの

臨床的には有効ではないとするレビューもあります3)

しかし,感覚的には

遅発性筋肉痛の予防にはストレッチも有効だと感じます。

 

遅発性筋肉痛になったら

万が一遅発性筋肉痛が出てしまったら

以下のような解消法があります4,5)

 

1.消極的休息 (passive rest) : 安静,入浴など

2.積極的休息 (active rest) : ストレッチ,軽度の運動など

 

痛みが強いときは入浴などの消極的休息を

痛みがある程度落ち着いてきたら積極的休息を取り入れます。

 

なお,

もし遅発性筋肉痛の原因に炎症が関わるとすると

あまり体を温めてしまうと炎症が強くなる可能性があります。

なので,

筋肉痛が非常に強い時は私は温めないで安静にしておいた方がいいと考えています。

 

おわりに

今回は筋肉痛について調べてみました。

筋肉痛を生じるトレーニングが

必ずしも効果的なトレーニングではないことが分かりました。

また,遅発性筋肉痛の治療法や予防法はありますが

まだ検討の余地があるようです。

 

一概に筋肉痛といっても奥が深いです。

今後の研究が楽しみな分野ですね。

 

参考文献

1)Friden J, Lieber RL : Eccentric exercise-induced injuries to contractile and cytoskeletal muscle

fibre components. Acta Physiol Scand 171 : 321-326, 2001

2)Peake JM, Suzuki K, Wilson G, et al:Exercise-nduced muscle damage, plasma cytokines, and

markers of neutrophil activation. Med Sci Sports Exerc 37 : 737-745, 2005.

3)Herbert RD, de Noronha M, et al.: Stretching to prevent or reduce muscle soreness after exercise. Cochrane Database Syst Rev. (7): CD004577, 2011.

4) Zainuddin Z, Newton M, Sacco P, et al:Effects ’of massage on delayed-onset muscle soreness, swelling, and recovery of muscle functiori. J Athl train 40(3) : i74-180, 2005.

5) Cheung K, Hume P, Maxwell L : Delayed onset museie soreness : treatment strateg/ies and perform- ance factors, Sports Med 33 (2) : 145-164, 2003.


SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*

CAPTCHA