水泳の合宿メニューを分析する

今回は合宿のメニューを考えてみます。

参考とするのは,2015年ナショナル強化合宿の

背泳ぎバタフライを専門とする選手のメニュー,

そして自由形短距離選手のメニューです。

 

運動強度や専門種目の量に注意すべき点はないのでしょうか。

競泳2015年ナショナル強化合宿のメニュー

このメニューについては,

インターネット上で自由の閲覧できる状況になっています。(2016年5月末現在)

(リンク:TOBIUO JAPAN Journal ナショナル強化選手合宿練習メニュー公開)

他にも様々なメニューが掲載されているので非常に参考になります。

 

 

専門種目の合宿メニューの構成を分析する

合宿では通常よりも練習頻度が高く

かつ高強度のトレーニングが組み込まれがちです。

通常の練習では得られないトレーニング効果が期待できる反面

故障のリスクも上がるでしょう。

 

専門種目の選手に対する合宿のメニューを考える上で

どのような点に注意しなければならないのでしょうか。

 

メニューの概略

メニューのメインとなる部分のみ抜粋して表にしました。

ちなみに3日目の午後と4日目はメニューがありません。

 

しかし,これではなかなか傾向がつかめません。

そこで,さらに分析を進めました。

合宿分析(背泳ぎバタフライ)

メニューの分析:専門種目のトレーニング距離

まず,合宿中の専門種目のトレーニング距離を

毎回の練習ごとにグラフにしました。

結果は以下の通りです。

なお,縦軸は以後のグラフですべて距離を指しています。

analysis

2これをみると一日の中でも

専門種目をがっつりやる練習と

Frを織り交ぜた練習に

明確に分かれていて,メリハリがあります。

 

全身持久力を高めるためには

必ずしも専門種目でトレーニングする必要はありません。

局所持久力を高めるには

専門種目でトレーニングする必要があります。

また,スキルトレーニングや

レースペース系の泳速が速いトレーニングは

専門種目でトレーニングする必要があるでしょう。

 

メニューの分析:トレーニング方法と距離

次にキックやプル,スイムが占める割合と

トータルの練習距離をグラフにしました。

3

4

この結果を見る限り

swim,kick,pullの割合は

練習ごとに大きく変わることはないようです。

また,1回の練習の総距離も練習ごとの大きな変化はないようです。

 

メニューの分析:トレーニング強度

最後に練習強度が練習ごとにどのようになっているか,

同じくグラフで示します。

5

6

グラフをみてみると

1日の2回の練習の中で

EN2が多く含まれる練習と

EN3が含まれている練習に分かれています。

 

EN2は乳酸閾値付近の運動強度,

EN3は比較的高い運動強度

という認識でいいと思います。

 

一日の練習の中で

持久系と

スピード持久力もしくはスピード系のトレーニングを

分けて行っているようです。

 

短距離選手の合宿メニューの構成を分析する

メニューの分析:トレーニング強度

短距離選手の練習メニューについては

トレーニング強度のみ分析しました。

結果は以下の通り。

8

9

さすが短距離選手といわんばかりの

AN3の多さです。

AN3はスイミングファーステストの定義では

非常に短距離を最大泳速で泳ぐ

パワー系のトレーニングを指しています。

しかし,今回のメニューでのAN3意味合いは

目標心拍数は心拍数126〜180 bpmであり

Hard,dash系の要素が含まれるメニューを指しているようです。

 

いずれにしても

持久系のトレーニングは少なく

dash系のトレーニングを頻繁に行っていることが伺えます。

 

おわりに:分析を行ってみて

Fr以外を専門種目とする選手の練習メニューは

特種目の割合が注意深く配分されていました。

トレーニング強度については

専門種目によって大きな違いがありました。

 

当たり前ですが

合宿では専門ごとに練習メニューは分かれます。

どの種目を

どれくらいの頻度で

どの強度で実施するか

以上のことを考えて,

合宿のメニューを作成する必要があるようです。

 

この留意点は

日頃の練習メニュー作成でも同じなので,

合宿の練習は日々の練習の延長線上にある,

という認識でもよいのかもしれません。

 


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