トレーニングプランの作成-1回の練習メニューを作るまで-

今回から,ある選手に対する水泳の練習メニューを

各トレーニング期に沿って紹介します。

対象とする選手は大学水泳部の選手です。

 

 

今回は練習メニューを作成するに当たって必要な

トレーニングプランの立案までを考えていきます。

トレーニングプランの立案をする理由

メニューを作成するに当たって

トレーニングプランの立案は必須です。

目標とする大会から逆算して

各トレーニング期の長さや目標を決めます。

場当たり的な練習メニューを行っても

何に向かってトレーニングしているのか

見失ってしまいます。

また,オーバートレーニングにもなりかねません。

早速,トレーニングプランの立案に取りかかってみます。

 

選手情報

基本データ

年齢:20代(大学3年生)

性別:男

身長:175.o cm

体重:70.0 kg

目標タイム:100Fr 56.0

練習頻度:週5回 (1回は陸トレも含め3時間)

 

現在の状況

10月の新シーズン前。

水泳部の練習は早朝。

昨年度からタイムが伸び悩み,現在のベストは100Fr 57.0。

今シーズンの目標として,

来年8月第4週の引退大会で100Fr 56.0は切りたいと考えている。

 

戦略を練る

10月のシーズン開始から来年8月4週まで残り11ヶ月程度しかない。

まず,来年8月第4週までのマクロサイクルを以下のように立案した。

(マクロサイクルの詳細は過去の記事を参照)

なお,これはあくまで暫定的なものであり

選手の感想やタイムの推移により適宜微修正を加えていく。

今回は2シーズン型で挑むことにした。

 

マクロサイクルの検討

前半シーズン

共通準備期間:10月1週〜11月3週

個別準備期間:11月4週〜1月3週

レース準備期間:1月4週〜3月2週

テーパー期間:3月3週〜3月4週

休養期間:4月1週〜4月2週

 

後半シーズン

共通準備期間:4月3週〜5月2週

個別準備期間:5月2週〜6月3週

レース準備期間:6月4週〜8月1週

テーパー期間:8月2週〜8月4週

 

前半シーズンの目標は

4月の第2週の短水路大会で56.0を切ることである。

 

メゾサイクルの検討

3週以上の強化期を設けた場合は1週の回復期を取る。

(シーズン序盤は回復期は設けない)

共通準備期間,個別準備期間の強化期には段階的に負荷を上げ

レース準備期間の強化期は一定負荷とする。

 

トレーニングプランの作成

立案したマクロサイクルとメゾサイクルを元に

トレーニングプランを立案した。

なお,トレーニング量については

スイミングファーステストのデータを参考とした。

まずは前半シーズンのトレーニングプランを下図に示す。

season_plan_before

次に後半シーズンのトレーニングプランを示す。

season_plan_after

これをもとに各時期のトレーニング内容を

さらに細かく決定していく。

 

ミクロサイクルの検討

週間トレーニングプランの立案を行う。

練習頻度は週5回 (月,火,木,金,土)。

連続した高強度のトレーニングは故障の原因となるため

高強度トレーニングは週2回とし

高強度トレーニングの次のトレーニング日は

低強度のトレーニングを実施する。

(2ピークセッション)

 

週間トレーニングプランの立案

例:共通準備期間(メゾサイクル1st, 強化期③)

この時期の週間トレーニングプランを以下のように設定した。

週間プラン

これをもとに1日単位の練習を設定していく。

 

まとめ

とても広い視点(マクロサイクル)から

1回の練習メニューへとどんどん視点が狭まっていく様子が

実感できたかと思います。

1回の練習メニューを作る背景には

これだけのプランが必要になります。

チームであれば

シーズン初期に全体ミーティングで

今シーズンの練習全体像を話し合うべきです。

その上で,毎回の練習の意義を考えていくことが大切です。

 

ちなみに,全ての人が速くなる練習メニュー,

もしくは,絶対に速くなる練習メニューというのは

恐らくこの世に存在しません。

ある薬の効く人と効かない人がいるように

練習によって生じる能力の変化は選手によって異なります。

従って,

練習の成果が出ているか,

定期的にチェックすることも忘れてはなりません。

 


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