水泳と筋トレ(筋トレプログラムの立案)

今回は筋トレのプログラム立案に関する知識の整頓です

水泳選手が行う筋トレのうち

筋トレ遂行に必要な知識を抜粋しました。

筋トレプログラムに関わる要素

前回の復習です。

筋トレプログラムの立案には以下の要素を

どう組み合わせるか考えなければなりません。

 

1.運動強度:負荷量

2.運動量:1セットで何回運動を行うのか。何セット行うのか。

3.休憩時間:どの程度休息を挟むのか。

4.運動頻度:週に何回行うのか

5.運動方式:筋収縮の方法(求心性収縮,遠心性収縮,等尺性収縮)など

 

 

これらの要素のどこをどう変えれば

望むような筋トレの効果が得られるのでしょうか。

 

1.運動強度

運動強度とその効果については

一般的には以下のようにいわれています。

 

1RMの40〜60%:筋持久力向上

1RMの60〜90%:筋肥大

1RMの90〜100%:筋パワー向上

(1RMは一回だけ筋収縮が可能な最大重量)

 

ただ,現在では必ずしもこの内容が当てはまらないことも

明らかになりつつあります。

(参考:筋力トレーニングの新たな方法と水泳への応用

 

2.運動量

以下のようにまとめられています。

筋力の増加:6〜12回を2〜3セット

 (負荷量は実施後に疲労が生じる負荷。6〜12RM)

筋パワーの増加:数回を2〜3セット

 (負荷量は最大に近い負荷)

筋持久力の増加:40回程度を3〜5セット

 (負荷量は低負荷で)

 

3.休憩時間

負荷が高くなるほど休憩時間が必要になります。

60%以上の負荷では30秒程度

90%以上の負荷では1分以上の休憩時間を挟むのが一般的なようです。

 

4.運動頻度

中程度の負荷以上のトレーニングを行った時は

48時間以上の間隔をあけることが望ましいです。

 

5.運動方式

運動方式の選択は重要です。

運動方式を選択する際には以下の原則を理解する必要があります。

 

5-1.筋力トレーニングの原則:特異性の原則

特異性の原則とは

「ある種の能力は同類の運動を用いたトレーニングによって効果的に高められる」

という原則です。

 

恐らく水泳選手にとって

この原則は最も注意しなければならない原則です。

なぜなら,水泳で行う動作は非日常の動作であり

普通の筋トレでは行わない動作だからです。

 

5-2.特異性の原則:筋収縮様式

筋の収縮様式には

1.伸張性収縮:筋の付着部両端が離れながらも筋が収縮する様式

2.等尺性収縮:筋の付着部の距離は変わらず,筋が収縮する様式

3.短縮性収縮:筋の付着部両端の距離が縮まりながら筋が収縮する様式

の3種類があります。

 

この3つの収縮様式のうち,

いずれかの収縮様式でトレーニングした場合,

その収縮様式における筋力の増加率が他の2つよりも高くなります。

 

例えば,

クロールのキャッチからフィニッシュをみると

広背筋は引き延ばされた状態から

フィニッシュに向かうにつれ短縮していきます。

これは,短縮性収縮ですので,

広背筋をトレーニングするときは,

短縮性収縮が運動の中心となるような筋トレを選択するべきです。

 

5-3.特異性の原則:関節の角度

筋力トレーニングを行った関節角度で

最も筋力が増強します。

 

例えば,

肘関節90°屈曲位で繰り返し肘関節屈曲の筋力トレーニングを行うと

肘関節90°以外の関節角度よりも肘関節90°で最も筋力の増加が生じます。

 

他にも細かな注意点はありますが

とりあえず次へ進みます。

 

筋力トレーニングの種類と効果

今まで紹介した要素を組み合わせることで

様々な効果を持つ筋力トレーニングプログラムを

作成することができます。

一般的には以下のように言われています。

 

 

1.筋パワー向上

1.負荷量:90〜100% 1RM

2.運動量:1〜3回を2〜3セット

3.休憩時間:2分以上

4.運動方式:すばやく動かす

 

筋力増大効果のうち,

特に神経系へのトレーニング効果が高い方法です。

筋肥大のみでは,肥大や増加した筋線維を全て動員できることはありません。

神経系の筋線維への調節能力が高まることは,筋力増強に非常に重要です。

 

2.筋肥大

1.負荷量:60〜90% 1RM

2.運動量:8〜12回(疲労困憊まで),3〜6セット

3.休憩量:30秒程度

4.運動時間:5秒以上かけて行う

 

筋力増大効果のうち,特に筋へのトレーニング効果が高い方法です。

サテライト細胞への刺激を促し,筋肥大,筋線維の増加を狙います。

 

3.スピードアップ

 1.負荷量:50% 1RM

2.運動量:8〜12回を3セット程度

3.休憩量:30秒程度

4.運動方式:すばやい動作で

 

実際に行う動作と同じ動作で運動をします。

これは筋力トレーニングとは少し毛色が違いますが

実際の動作を滑らかに行うための

運動学習としての意味合いが強いです。

 

4.筋持久力

 1.負荷量:50〜60% 1RM

2.運動量:20〜40回を3〜6セット程度

3.休憩量:30秒以下

4.運動方式:向上させたい運動によりけり

 

筋持久力の向上は

目的とする筋を繰り返し収縮させることが目的となります。

休息は短めとして,

筋の収縮回数を増やすよう尽力します。

 

まとめ

筋トレのプログラムはある程度の基本的なスタイルがあります。

基本を押さえた上で

自分にあった筋トレプログラムを立案するべきです。


SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*

CAPTCHA