水泳合宿の練習メニューを作成する①

以前に合宿の練習メニューを分析してみました。

(参考:水泳の合宿メニューを分析する)

 

その結果,実施種目や練習強度に

非常に注意が払われているようでした。

では,いざ合宿の練習メニューを作るときには

どこからスタートして

何から注意していけばいいのでしょうか。

今回から合宿のメニュー作成を考えていきます。

step1 シーズンプランの確認と目標の設定

合宿のメニューであっても

もちろんシーズンプランに沿った練習内容にします。

持久力をつける時期なのか,

レースペースを多く行う時期なのか。

 

その上で合宿の目標を明確にします。

目標は出来るだけ具体的な方がいいと思います。

「夏の大会まであと4ヶ月なので

長距離選手は泳ぎ込みを

短距離選手は速い泳速でのフォームの完成を

目的とする…」

 

といった感じです。

 

Step2 各練習の目的およびメインの決定

毎回の練習の目的と運動強度を設定します。

例えば

1日目午前:持久力 (EN2),スプリント力向上(AN3)

1日目午後:レースペーストレーニング(AN2),キック持久力(EN1)

といった具合です。

 

この時に注意しなければいけないのが

運動強度と疲労の蓄積です

 

疲労の蓄積と回復

疲労については以前の記事を前提に話を進めます。

(参考:疲労とは:水泳の練習に生かす基礎知識)

(参考:もっと練習をするために:練習頻度に影響する要素-筋グリコーゲン-)

 

全身疲労の原因となる筋グリコーゲンの枯渇から回復するには

約48時間程度要します。

従って,毎回高強度の練習を行い続けると

筋グリコーゲンの回復が追いつきません。

 

全身疲労をためない戦略

筋グリコーゲンは60%VO2max以上の運動強度で

消費量が増えていきます。

60%VO2maxというのはイメージしにくいですが

だいたい乳酸閾値付近という認識でいいと思います。

 

つまり,乳酸閾値以上のトレーニングを高頻度で行うと

筋グリコーゲンの消費が補充の速度を上回る可能性があります。

従って,全身疲労をためない戦略としては

 

1.メインの運動強度に注意する。

 いたずらに高強度の運動を連続して行うことは慎む

 

2.乳酸閾値以上のトレーニングを長時間実施したあとは

 少なくとも24時間以上(理想は48時間以上)間をあけて

 再び乳酸閾値以上のトレーニングを実施する

 

3.kickやpullなどトレーニングする部位をかえて

 同じ部位にトレーニングの負荷がかかり続けないようにする

 

4.泳ぐ種目をかえて,同じ部位に負荷がかかり続けないようにする

 

などが考えられます。

 

各練習の目的およびメインの決定

疲労を蓄積させないことを念頭に

各練習の目的とメインを考えていきます。

 

例えば自由形短距離選手の練習メニューを考えます。

まずは,スプリンターに求められる能力を確認します。

(参考:水泳の練習メニュー:スプリント能力とは何だろう

 

スプリント能力は

1.最大泳速

2.最高速度を維持できる時間

を高めることが目標となります。

 

これを踏まえて

以下のようにざっくりとした練習メニューの素案を作りました。

トレーニングプラン

 

Step3 毎回の練習メニューの作成

Step2で作った素案をもとに

毎回の練習メニューを作成します。

 

メイン以外の部分では,運動強度や距離が高くなり

他の練習回に影響を及ぼさないように注意します。

 

おわりに

合宿の練習メニュー作成の手順をまとめてみました。

 

合宿の練習メニューで特に問題となるのは

疲労の蓄積と故障のリスクです。

合宿中はストレッチや十分なウォーミングアップ,

サプリメントなどを用いて

積極的な回復に努めるよう指導するのも

メニュー作成者の仕事の一つです。

 

次回は実際に合宿メニューを作ってみたいと思います。


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