水泳の練習メニューを作ろう (基本編)

水泳の練習メニューを作ってみましょう。

自分でメニューを作るマスターズスイマーは必須の知識。

大学やスイミングの人達は

メニュー作成者やコーチが作ってくれるので苦労はしません。

しかし,メニューの意図を理解し効率の良いトレーニングを行うには

メニューに関する知識は必要となるでしょう。

 

メニューの基本構造

水泳の練習メニューを組む上で大切な要素は

全部で4つあるといわれています1,2)

 

1. 泳ぐ速さ

2. 1本あたりの距離

3. 反復回数

4. 休憩時間

 

これらを巧妙に組み合わせ

目的とするトレーニング効果を狙いにいきます。

例えばこんな感じです。

 

100×20 2’00 target HR: 140bpm

 

このメニューが指す意味は

1. 泳ぐ速さ:心拍数140回/分に到達する泳速

2. 1本あたりの距離:100m

3. 反復回数:20回

4. 休憩時間:100mを1’50で回れる人だと10秒 となります。

 

ちなみに2分サイクルとは 200mの1本と1本の間が2分であることを示しています。

つまり,200mを1’40で泳いだ場合は休憩時間は20秒になります。

 

練習メニューのサブカテゴリーについて

上記の基本構造を積み重ねることで 1回分の練習メニューを作成します。

1回の練習メニューを構成する要素としては以下のようなものがあります。

とりあえず名前だけ押さえておいてください。

 

1. ウォーミングアップ (warming up)

2. キック (Kick)

3. プル (Pull)

4. ドリル (Drill)

5. メイン (Main)

6. ルースン (Loosen)

7. サブメイン (Sub main) もしくは reinforcer (レインフォーサー)

8. ダウン (Down)

 

わかりにくい用語を少し解説しますと

ルースンは小休止、アクティブレストです。

サブメインやレインフォーサーはメイン以外の

補強トレーニングです。

スプリント系のトレーニングが選択されることが多いです。

 

さて、大体これらの内容を取捨選択して

1回分の練習メニューを組みます。

重要なポイントとして

1回の練習メニューを組む時,そのメニューの目的があるはずです。

持久力を高めたい,キックを強化したい…などなど。

その目的達成のために

メインを先に設定しましょう。

そしてメインに高い技術もしくはパフォーマンスで挑むことが出来ように

メイン前のメニューを作っていくと

1回の練習の目的がはっきりします。

 

メニューの作り方

例えばこんな思考過程で私はメニューを作ります。

 

1. 今回の練習の目的

短距離選手に対するスプリントトレーニング (AN2)

 

2. メインの内容を決定

50m×6 10’00 全速力で

 

3. サブメインの内容を決定

AN2は非常に高強度のトレーニングであり体への負荷も大きい。 今回はなし。

 

4. メインに至るまでの流れを決定

突然50mの全力泳をしてもうまく水がつかめない,

もしくは体が動かない可能性があるため

メイン前に短距離のスプリント系メニューを組み込む。

また,速い泳速でも6ビートを維持してほしいので

キックにもスプリント系のメニューを入れていく。

 

5. メニュー作成に取りかかる

メニューを作成します。

簡単な解説も付記しました。

Up

  100×4 2’00 choice (どんな泳ぎでもいいです,ということ)

 

Kick  

 50×4 1’10 on-board (板キックのこと)  

 50×4 1’00 no-board (板なしキックのこと)  

 50×4 1’10 no-board, descending to max

       (ディセンディングは1本ごとにタイムをあげることを指します。  

        今回は最高速まであげて下さい,と指示を出しています)

Drill  

 25×4 ’45 choice(好きなドリルをどーぞ)  

 25×2 ’45 spin drill (10m) → easy (15m)

      (ピッチを最大にして泳ぎます。腕が動きやすくなることを狙っています)

 50×4 1’30 build up to max       

      (ビルドアップは1本の中で,泳速をあげることを指します。        

       つまり,最初はゆっくりで40mくらい泳いだ頃にはほぼ最大泳速になっていることになります。)  

 25×6 ’45 choice (メインに備え,各自のドリルを自由にやってもらいます)

 

Main (AN2)  

 50×6 10’00 speed : max

 

Down  

 100×6 2’10 choice

 

こんな具合です。

 

おわりに

水泳のメニューを作るのは結構大変です。

目的を設定し,目的を達成するために必要な負荷を設定する必要があります。

適切な負荷の設定には

「泳ぐ速さ」

「1本あたりの距離」

「反復回数」

「休憩時間」

を考えなければなりません。

どのような組み合わせがどのような効果を生むのか

その知識も必要です。

 

練習メニューの作成は

とても奥が深いものだとつくづく思います。

 

参考文献

1) Counsilman J.E. Competitive swimming manual. Counsilman Co., Inc., Bloomington, Indiana:3-17, 1977

2) Beltz J.D. et al., Energy demands of interval training for competitive swimming, Swimming Research. 4(3):5-9, 1988


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