水泳の練習メニューを作ろう (持久力編)

競泳の持久力の向上を狙った練習メニューとは

どのようなものでしょうか。

今回は持久力を高める練習メニューの作成について考えます。

 

持久力を高める練習メニューを考える時

あらかじめ知っておくべき知識として

1.「持久力を評価する指標は何か」

2.「スイミングファーステストの分類,EN1〜3」

があります。

それぞれについておさらいします。

 

持久力を評価する指標について

持久力を評価する指標として過去の記事で

1. 最大酸素摂取量

2. 乳酸閾値の運動強度

があることを紹介しました。

(参考)

体力とはなんだろう

持久力とはなんだろう

最大酸素摂取量を高めるトレーニング

乳酸閾値を高めるトレーニング

 

つまり、持久力を高める練習メニューを作る上で

上記の二つの指標を高めることが

メニューの目標になります。

どうすれば、上の二つの指標は高まるのか?

 

その際に参考になるのが

スイミングファーステストの分類「EN1~EN3」です。

 

スイミングファーステストの分類,EN1〜3を練習に生かす

持久力の指標を高める方法として

スイミングファーステストの分類EN1,EN2,EN3があります。

 

EN1のメニューの組み方

EN1は最大酸素摂取量の改善を狙ったトレーニングです。

最大酸素摂取量に関わる要因のうち

特に一回拍出量を高める目的がありました。

 

EN1のサンプルメニュー

メニューとしては,例えばこんな感じです。

 

100×20 1’40 target HR:120 bpm

     (一分間の心拍数が120回程度になるよう泳速を調整する)

 

メニューを作成する上で注意しなければならないポイントは

 

1. 泳ぐ速さ

2. 1本あたりの距離

3. 反復回数

4. 休憩時間

 

でした。

一つずつ見ていきます。

 

泳ぐ速さ

EN1の場合はスイミングファーステストでは

心拍数120~140bpmと述べられていますが

一回拍出量の増大を目的とした場合は

心拍数110~120bpm程度の方がいいと思います。

 

1本あたりの距離

特に規定はありません。

200×6 3’30

とか

400×4 7’20

でもいいでしょう。

ただし、

1本あたりの距離と反復回数を掛け算して得られる

総距離もしくは総時間については注意が必要です。

総距離についてはスイマーのレベルによってかわりますが

総時間についてはスイミングファーステストでは15分以上を推奨しています。

他の文献でも持久力の向上には20分以上の運動を推奨しているため1)

EN1の運動の総時間は20分以上を目安にしてよいかと思います。

 

反復回数

これも明確な規定はありませんが

上記の総時間を満たすように設定するとよいでしょう。

 

休憩時間

レストは,ほとんど必要ありません。

少なめに設定します (5〜20秒)

 

その他

EN1は泳速も遅く,運動強度も低いため

ストローク数を意識したり ストリームラインや姿勢を意識したりと

ドリル的な要素を追加して行ってもいいと思います。

 

EN2のメニューの組み方

EN2は乳酸閾値を高めるトレーニングです。

EN1よりも運動強度が高く,泳速も速いメニューとなります。

それ以外はEN1とほとんど同じと考えていいと思います。

 

泳ぐ速さ

心拍数120~150bpm程度になる速さ。

スイミングファーステストの心拍数140~170bpmは

運動強度が高すぎる印象です。

 

1本あたりの距離

特に規程はなし。

 

反復回数

こちらも特に規程はなし。

ただし,トータルの運動時間が

20分を越えるように1本あたりの距離と反復回数を設定した方がよさそうです。

 

休憩時間

EN1と同じか少し増える程度 (5〜20秒)。

EN2は乳酸閾値付近の運動であるため,

疲労物質が練習中に急激に増えたりはしません。

そのため,レストも多く取る必要はないと思います。

 

EN2のサンプルメニュー

100×20 1’40 target HR:140 bpm

 

EN2は泳速以外はEN1とかわらないようなメニューになると思います。

目標心拍数がEN1より高いことがポイントになります。

 

EN3のメニューの組み方

EN3は最大酸素摂取量を高める有効なトレーニングです。

EN3はEN1やEN2とメニューの内容が異なります。

もっとも大きな違いは泳速が非常に速いことです。

スイミングファーステストのEN3に関する記載を抜粋し

EN3のポイントを改めて整理してみます。

 

泳ぐ速さ

ほぼ最大泳速

私は最大心拍数から10を引いた値付近をターゲット心拍数にしています。

 

1本あたりの距離

50〜400mまで多岐に渡る

 

反復回数

スイミングファーステストには

トレーニングの総距離が最大で2000mと記載されています。

1本あたりの距離から適切な反復回数を計算します。

 

休憩時間

 

スイミングファーステストの記載では

1本当たりの距離が

  短距離では5〜30秒

  中距離では15〜60秒

  長距離では30〜120秒

 

となっています。

しかし,短距離であっても60秒近くレストをとってもいいと思います。

 

EN3のサンプルメニュー

・200×6 3’00 

     target HR:予測最大心拍数から10〜20引いた値

 

・50×11×3set 1’10 set rest:1min

     target HR:予測最大心拍数から10〜20引いた値         

 

〜解説〜

高強度の運動を

比較的短めのレストで繰り返し行うのがEN3です。

泳速の設定は難しいので私は心拍数を指標にしています。

 

まとめ

持久系トレーニングとして, スイミングファーステストの分類に沿って概説しました。

スイミングファーステストの分類以外にも

色々持久力に関するメニューはありますので

いずれ,紹介していきたいと思います。

 

参考文献

1) 市橋則明 編, 運動療法学, 2008 


SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*

CAPTCHA