水泳の練習メニュー : 持久力系(EN2,increasing rest)の練習メニュー

EN2のうち,increasing restを使った練習メニューを紹介します。

持久力トレーニングは単調になりがちですので工夫しました。

私も大学でメニュー作成していた時や今でも

よく用いるメニューになります。

練習メニューを作る前に

今回はEN2,乳酸閾値となる運動強度を高めることが目標となります。

increasing rest (インクリージングレスト) は

徐々にレストを増やし

ターゲットタイムを短くする(泳速を速くする)

メニューとなります。

 

increasing restのトレーニング効果を

運動生理学的に検討した報告はありません。

しかし,乳酸閾値を高めるトレーニングとして

increasing restがそこまで的外れな練習メニューとも思えません。

 

練習メニューをする人の情報

対象:20歳女性 (大学水泳部)

専門種目:200m Ba ベストタイム:2’20

練習頻度:週3回,1回1.5時間

 

練習の目的

基礎的な持久力の向上

 

練習メニュー作成時の留意事項

1. 乳酸閾値付近の運動を少なくとも20分以上継続する

2. レストは乳酸閾値付近の運動強度では5〜20秒程度に設定する

3. 運動強度を心拍数で十分に管理する

 

 

練習メニューのサンプル

Up

 100×4 2’00 choice

 

Swim

 50×2 1’00 count stroke (25mごとのストローク数を数えておく)

 50×4 1’00 fist swim (手をグーにして泳ぐ) 

 100×6 2’00 0~50m:fist swim、50~100m:swim

 

Drill

 25×4 1’00 sculling

 25×6 ’45 choice

 

Swim

 50×2 1’00 count stroke (25mごとのストローク数が先ほどよりも少なくなるように!)

 100×2 1’45 count stroke (前の50mのストローク数を100mでも維持する)

 100×4 2’00 count stroke, descending to LT pace

    (LTペース、心拍数120~140 bpm付近までペースをあげる。

     それでもストローク数は維持する)

 

main (EN2: Increasing rest)

Swim 

 100×8 1’40 target HR : 110~120 bpm

 100×12 1’45 target HR : 120~140 bpm

 100×6 2’00 target HR : 150~170 bpm

    ※セットレストなし。ストローク数をなるべく増やさずに、泳速をあげること。

 

Down

  100×6 1’50

 

メニューの意図

メイン前

メインで大きな泳ぎをしてほしいので

カウントストロークの指定を出しました。

フィストスイムで前腕や上腕部で水を押す感覚を養います。

その後、手のひら、前腕、上腕を使って

腕全体で水を押す大きな泳ぎを目指します。

 

descendingでメインで用いる泳速まで上げて

メイン前の泳ぎをメインの泳ぎにつなげていきます。

 

メイン

メインのincreasing restの運動強度は心拍数で管理します。

セットレストはありません。

1セット目のレストは、ほぼ5~10秒程度でしょう。

2セット目のレストは10~20秒

3セット目のレストは30秒前後を想定しています。

 

最初のセットから最後のセットまで大きく泳ぎ

なるべくストローク数を増やさないように意識してもらいます。

ストローク効率の高い泳ぎ(一回のストロークで進む距離が長い泳ぎ)を習得することで

レース中のストロークによるエネルギー消費量が減るため

間接的に持久力の向上に寄与します。

 

3セット目の目標心拍数は150~170 bpmとしました。

乳酸閾値より少し高い強度である

最大乳酸定常付近の運動強度を想定しています。

乳酸閾値より少し高い運動強度であっても

乳酸閾値の改善が見込めるのではないかと考えています。

 

おわりに

increasing restは泳速に変化があるため

泳ぐ側も楽しく泳げるのもポイントの一つだと思っています。

 

参考文献

本ホームページ記事

 水泳の練習メニュー:持久力とはなんだろう

 水泳の練習メニュー:乳酸閾値を高めるトレーニング

 水泳の練習メニュー:持久力トレーニングをEN2から考える

 水泳の練習メニューを作ろう(基本編)

 水泳の練習メニューを作ろう(持久力編)

 

1) Jason D. et al., Blood lactate concentration and clearance in elite swimmers during competition. International Journal of Sports Physiology and Performance. 2011 6. 106-117


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