水泳でベストが出ないときの検討すべき事項

ベストが出ない時には

もっと分析すること,と前回述べました。

(参考:ベストが出ない時に考えること

今回は前回の内容を受けて

より深くベストに繋がる要因を検討してみたいと思います。

 

 

ベストに繋がる要因を挙げていく

では,どうすればタイムに繋がる要因を

見つけることができるでしょうか。

有名な話ではありますが

やはり長期目標,短期目標,レース当日

というふうに大きな視点から小さな視点へ目を向けていく方法が

最も分かりやすく,抜けも少ないと思います。

 

今回は長期目標と短期目標の立て方,

そこから導かれるベストに繋がる要因について

私なりの考えを提言していきます。

 

長期目標 (long-term goal) を立てる

1.目標とする大会を設定する

目標とする大会はどこでしょうか。

インターハイ,インカレ,Japanオープン,マスターズ大会。

そして,それはいつでしょうか。

半年後か1年後か3年後でしょうか。

それによって,今すべきことが変わってきます。

 

2.目標達成のために高めるべき能力を考える

2-1. 客観的な指標を用いた現状能力の評価

 種目によって当然異なります。

例えば50Frの選手であれば,

最高泳速度とその速度を保持出来る能力の向上が

タイムアップには必要です。

現状の最高泳速度と速度を保持出来る能力は

測定しておくべきでしょう。

最高速度は例えば25mの全力ダッシュ時の

10〜20mのタイムを取ってみるとかで測定します。

速度を維持出来る能力 (昔は耐乳酸能力とも) は

SP1のタイムの落ち方が参考になるでしょう。

(参考:水泳の練習メニュー:スプリント能力とは何だろう

 

また,400mなど長距離選手であれば

乳酸閾値となる運動強度や

最大酸素摂取量の測定が必要です。

なお,乳酸閾値も最大酸素摂取量も専門の測定機器が必要なので

T-30やcritical velocityなどを用いるとよいでしょう。

(参考:トレーニング強度の設定方法 (3000m泳,30分間泳)

(参考:トレーニング強度の設定方法 (Critical Velocity)

 

いずれにしても

今の自分の能力を知ることが大切です。

これらの客観的な指標がトレーニングによって変化していないのであれば

そもそもベストは出る訳がありません。

 

2-2. フォームの修正

フォームの修正と一言で言っても

これも非常に奥が深いです。

そして個人によって最適なフォームが異なります。

世界選手権をみると,選手ごとに結構フォームが違います。

(根源的な部分でフォームの共通点はあるかもしれませんが)

理由は骨格,筋肉の付き方,筋や関節周囲の組織の柔軟性が異なるからです。

一般的なフォームの理論はあるにしても

必ずしもそれが自分にフィットするとは限りません。

 

従って,

自分に合ったフォームを模索する必要があります。

そしてこれは繰り返し練習して目標とする大会の3ヶ月くらい前には

ものにしておきたいところです。

慣れないフォームで大会に挑むと

どうしても余計な力が入ってしまいます。

また,新しいフォームで用いる筋肉の持久力を高めるため

一定期間のトレーニングも必要になります。

 

3.シーズンプランの立案

シーズンプランを立てます。

持久力の練習はどこで距離をピークとするのか,

スプリント練はどれくらい組み込むのか

試合前のテーパー(いわゆる試合準備期みたいなもの)はどれくらいかけるか。

目標とした大会から逆算する形で設定します。

 

4. レースを分析する

レースプランについても一緒に検討します。

前半を速めに入った方がいいのか,

もしくは抑えめの方がいいのか。

ダイブ後のドルフィンキックの回数,

浮き上がり方などなど。

ここで立案したレースプランは

シーズンが進み,能力が変化するに伴って

どんどん更新していきます。

 

短期目標 (short-term goal) を立てる

長期目標を立てたら,次は短期目標です。

月単位,週単位で目標を立てていきます。

 

1. トレーニング内容の決定

長期目標から月ごとのトレーニングのボリュームが決まります。

そこで,各週および1週間ごとのトレーニング内容を決めます。

疲労が蓄積しないようにトレーニング強度を考慮する必要もあります。

 

2. 補強トレーニング実施の有無についての検討

プールで泳ぐ時間は限られています。

筋力トレーニングなどを追加で行う必要も出てくるかもしれません。

特にスプリンターについては

ストロークパワーを高めるのに筋力が必要となるため

筋力トレーニングは必要になるでしょう。

 

レース1週間前からの過ごし方

1.レースに向けた準備の方法

カーボローディング,クレアチンローディングなどを行っている場合は

方法が適切であったか方法の再検討を行いましょう,

 

2. テーパー期の過ごし方

どの程度練習量を下げるのが自分にとって最適か

これは生理学的なバックグラウンドを理解するとともに

自分の中での感覚的なものも大切にした方がいいと思います。

 

レース前日の過ごし方

食事内容は適切でしょうか。

翌日に胃もたれなどがないように注意します。

 

レース当日の過ごし方

1. 大会会場に向かうまでのウォーミングアップ

大会会場に向かう前までに

簡単なウォーミングアップやストレッチはすませておくべきです。

特にスタティックストレッチのレース直前の実施は

筋張力が下がるのでやめるべきです。

大会会場に向かう前に済ませておきます。

 

2. 大会でもウォーミングアップ

これも自分にとって最適なものを模索する必要があります。

(参考:水泳大会のウォーミングアップ方法はどうするか

 

3. レース後のリカバリー

リカバリーは十分に行えていたでしょうか。

(参考:水泳の大会における最適なクーリングダウンとは

 

タイムが出るのを阻害する因子の排除

1. ケガの防止

体の柔軟性は十分でしょうか。

ストレッチを行い,ケガの防止につとめます。

また,毎回の練習に臨む時もなるべくよいコンディションで臨めるよう,

ストレッチや陸上でのウォーミングアップ方法を模索するべきでしょう。

(参考:正しいストレッチが出来ていますか?

 

2. 慢性疲労の防止

全身倦怠感や体重の減少がないか,常にチェックしておきましょう。

 

おわりに

これらの検討事項は

ベストが出ている時でも常に検討し続ける必要がある内容だと思います。

 

成長の歩みを止めないようにしたいですね。


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