普段の練習でもウォーミングアップの内容を考えるべきだ

今回は練習時のウォーミングアップについて考えていきます。

マスターズスイマーは多くの場合,

自分で練習メニューを組まなくてはいけません。

ウォーミングアップはどのように組めばいいのでしょうか。

練習時のウォーミングアップを考える前に

まずは,ウォーミングアップ (大会編) の内容を復習します。

 

ウォーミングアップの目的1)

1. 体温,筋肉の温度が上昇する

2. 関節の可動性や筋の柔軟性が高まる

3. 中枢神経系の興奮が高まる

4. 俊敏な動きが可能となる

5. 集中力が高まる

 

水泳大会時のウォーミングアップの方法2)

・ 距離:1,000〜1,500m(15〜20分)

・ 強度:中強度 (65〜70%VO2max程度?)

・ ドリルはストローク効率に焦点をあてる

・ 短い距離のレースペースを実施する

・ ウォーミングアップの効果は8〜20分持続する

 

練習時のウォーミングアップはどうする?

練習時のウォーミングアップをなんとなくしていないでしょうか。

ウォーミングアップの目的や大会時のウォーミングアップ方法をみると,

例え練習時であっても気を使う必要がありそうです。

特にメインの内容によって,

練習時のウォーミングアップは変わってくると思います。

 

1. メインによってウォーミングアップを組み替える理由

1回1回の練習メニューには目的があります。

持久力を高めたいのか,スピードを高めたいのか。

 

もっと具体的考えると

速筋線維に刺激を与える,

ストローク効率を改善する,

などが一例です。

その目的を達成するためにメインメニューがあります。

 

従って,

メインとなるメニューを

高い精度,もしくは最高のパフォーマンスで行えるよう

メインに至るまでのウォーミングアップは組む必要があります。

 

2. 練習のウォーミングアップ (メインの泳速が遅い時は)

持久力系の練習の中でも

一回拍出量を高める練習 (EN1) や

乳酸閾値の改善を狙う練習 (EN2) では比較的泳速は遅いです。

この時のウォーミングアップを考えてみます。

 

基本的に速い泳速には到達しないので,

ウォーミングアップにレースペースやダッシュといったものは

多く組み込む必要はないでしょう。

優先順位として高いのは

ストリームラインやスカーリング,

キックとプルのタイミング練習といった

ストローク効率を高める練習を中心に組むといいかと思います。

例えばこんな感じです。

 

サンプルメニュー

対象はマスターズスイマー,

専門はFrの中距離,

ベストは200Frで2’20とします。

メインは乳酸閾値の改善 (EN2) とします。

 

Swim

 100×2 1’50 Fr  

 100×2 2’00 IM

 

Drill  

 50×2 1’00 count stroke  

 25×4 1’00 けのび → no-board kick  

 25×2 ’50  sculling  

 25×2 ’45  sculling (12.5m) → swim (12.5m)  

 50×4 1’00 count stroke        

    ※最初のcount strokeよりも少ないストローク数で!

 

Swim  

 100×4 2’20 

     ※100m泳ぎ終わった直後の心拍数を確認

      (maim swimのターゲットタイムをどのくらにすればいいか

       その日の体調を確認して決めるため)

 

Main swim  

100×18 1’45 目標心拍数:120〜140 回/分

 

以下省略。

 

メニューの意図

今回のメニューの目的は二つあります。

一つ目は「乳酸閾値の改善」

二つ目は「ストローク効率をあげることです」

 

一つ目の目的を達成するには,心拍数の管理が一つのポイントになります。

そこで,メインの前に今日の心拍数と泳速の関係を見極めるセットを用意しました。

ここでスイマーは,メインのターゲットタイムを設定します。

例え一定強度で泳ぎ続けても

心拍数は少しずつ上がっていってしまうこともあるため(心拍ドリフトと呼ばれます),

メインでも必ず心拍数はとるようにします。

 

二つ目の目的達成のために,

メイン前にカウントストロークのドリルセットを組んでみました。

25mあたりのストローク数を数え,

ドリルセットの最初と最後で比較します。

この流れで,メインはなるべく少ないストローク数で挑んでもらいます。

 

まとめ

大学の水泳部のメニューでは よく

「アップ→キック→プル→ドリル→メイン」の流れで

メニューが作られています (昔は私もそうでした(笑))

 

しかし,必ずしもこの流れにこだわる必要はないと思います。

メニューごとに目的をたて

その目的達成のためにウォーミングアップを組む…

この方がメニューをこなすにしても効率がいいですし,

モチベーションも上がると思います。

ぜひ,参考にしてみてください。

 

参考文献

1) 大塚潔. トレーニング・ジャーナル 36 (3): 46-50, 2014

2) Neiva H.P. et al., Warm-up and performance in competitive swimming. Sports Med. 44(3) : 319-30, 2014 


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