疲労とは:水泳の練習に生かす基礎知識

練習メニューを考える上で

選手のオーバートレーニングは避けなければなりません。

そのためには,

疲労について理解する必要があります。

疲労の定義

疲労とはある作業を続けていると,作業量と作業効率が低下する状態を指します1)

 

疲労の分類

疲労は二つに分類されています。

すなわち,

 

局所疲労(筋疲労)と

全身疲労(心肺疲労)です2)

 

読んだままですが

局所疲労は筋で生じる疲労,

全身疲労は心肺系の疲労です。

次にそれぞれの疲労の原因について詳しく見ていきます。

 

筋疲労の原因

筋疲労は,その名の通り骨格筋の疲労を指しています。

徐々に発揮出来る筋力が低下しますが,

その原因として以下のような要因が考えられています。

 

〜筋疲労の原因〜

・貯蔵エネルギー (ATP) の減少

・筋血流量,運搬される酸素量の不足

・水素イオンの蓄積による筋自体の収縮機構の阻害

・中枢神経系による抑制作用の影響

・特に速筋線維の神経筋接合部における興奮伝導の減少

 

上記のような原因により,

収縮する筋が動揺したり

最大筋力が低下したりと

筋疲労の症状が現れてきます。

 

心肺疲労の原因

心肺疲労は,全身的な疲労です。

原因として以下のような要因が考えられています。

 

〜心肺疲労の原因〜 

・血糖値の低下

・筋や肝臓におけるグリコーゲン貯蔵の減少

・カリウムの不足

 

ここで注目すべきは

筋や肝臓におけるグリコーゲン貯蔵の減少です。

繰り返しの練習により

筋や肝臓のグリコーゲンが減少することで

全身疲労が生じます。

 

逆に言えば

筋や肝臓のグリコーゲンが回復していない状態で

次のトレーニングを行うと

疲労がとれていない状態でトレーニングを行っている,

ということになります。

 

疲労からの回復するまでの時間

疲労から回復するまでに要する時間はどれくらいでしょうか。

疲労が十分に回復した状態で次のトレーニングに臨めれば

質の高いトレーニングが行えるはずです。

 

短期間の回復

発揮筋力の90〜95%まで戻るには

3〜4分要するようです3)

 

長期間に渡る回復

全身疲労などの原因となる

グリコーゲンの枯渇からの回復には

数日かかるようです。

この点については

以前の記事が詳しいです。

(参考:もっと練習をするために:練習頻度に影響する要素-筋グリコーゲン-)

 

疲労に関する知識を練習に生かす

今回は疲労について

練習にかかわる部分のみをまとめました。

 

疲労に関する知識を練習に応用する例としては

スプリント系のトレーニングを行いたいのであれば

最低でも3〜4分以上は休息を挟まないと

十分な筋力が発揮できずスプリントのトレーニングとなりません。

 

また,

グリコーゲンの枯渇からの回復には数日かかることから

グリコーゲンが枯渇するような練習メニューのあとは

数日間,同じようなメニューは組めないと考えられます。

 

1回の練習の質を上げることも大切ですが

常によいコンディションで

毎回の練習に臨むことも大切だと思います。

 

 

 参考文献

1佐藤佑,他:運動と体力・疲労 運動生理学. pp273-306, 建帛社, 2000

2.キャロリン・キスナー著,運動療法大全. pp151-153ガイアブックス, 2012

3.Corder, KP et al., Effects of Active and Passive Recovery Conditions on Blood Lactate, Rating of Perceived Exertion, and Performance During Resistance Exercise. J Strength Conditioning Res 14:151, 2000


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